はじめに:あの頃の私は「S&P500=最強」だと思っていた
投資を始めたばかりの頃、私はとある動画に出会いました。
「S&P500とオルカン(全世界株)は初心者におすすめ!」
そう言われた瞬間、私は
「よし、S&P500に決めた!」
とワクワクしながら証券口座を開設しました。
チャートを見れば右肩上がり、ウォーレン・バフェットも推している。
SNSでも「S&P500積み立て最強!」と盛り上がっていて
「これさえ積み立てておけば老後は安心だ」
と信じて疑いませんでした。
でも、時間が経つにつれて気づいたんです。
どんなに優秀なファンドでも「絶対に儲かる投資」なんて存在しない。
私が実際に経験したS&P500投資の“3つの落とし穴(=注意点)”を、
当時のリアルな気持ちと一緒にお伝えします。
注意点①:マイナスになる年は必ずある。しかも想像よりも心が揺れる
投資を始めて半年。
アプリを開くたびに評価額が増えていて、
「投資って簡単じゃん!」
なんて浮かれていた私。
ところが、2022年のある日を境にグラフは真っ赤に。
見るたびに数字が減っていくのを前に、正直、怖くなりました。
「え?S&P500ってずっと上がるんじゃないの?
なんでマイナスになってるの?」
この時、ようやく“現実”を知りました。
どんなに強いアメリカ経済でも、下がる年はある。
調べてみると、過去194年間のうち約30%はマイナスリターンだったんです。
10年投資したら、3年は下がる。
それがS&P500という商品なんですよね。
そんなとき私が救われたのは、この言葉でした。
「長期投資とは、下がっている時にどれだけ持ち続けられるかの勝負。」
その言葉を聞いて、私はスマホのチャートを見るのをやめました。
代わりに、自動積立を設定して“見ない仕組み”に変更。
最初は不安でしたが、半年後に再び上がってきた時、
「あの時、売らなくて本当に良かった」
と心から思えたんです。
注意点②:アメリカが永遠に勝ち続けるとは限らない
S&P500が絶好調の数年間、
SNSでは「全世界よりS&P500派!」の声が目立っていました。
私も完全にその流れに乗っていて、オルカンよりS&P500を多めにしていました。
でも、ある日動画で
「過去のデータでは、アメリカが常に勝っているわけじゃない」
という話を聞いてハッとしたんです。
1970年代には日本株が世界最強だった時期があり、
2010年代はアメリカが強かった。
つまり、“どの国が勝つかは時代によって変わる”ということ。
そこで思いました。
「アメリカが強い今だからこそ、他の国にも分散しておいた方がいいのかも」と。
それから私は、ポートフォリオの一部を
オルカン(全世界株)や先進国株式にも分けるようにしました。
結果として、2023年のようにドル高が落ち着いた時でも
全体の資産バランスが安定していたんです。
「分散投資は守る力」
まさにその言葉通りだと実感しました。
注意点③:為替リスクは思っているより大きい!円高で評価額が下がった日
これは本当に痛感した話です。
S&P500のチャートは上がっているのに、
自分の評価額はなぜか減っている──そんな日がありました。
原因は「為替」でした。
ドル円が150円から130円まで円高になると、
為替だけで−13%の影響を受けてしまうんですよね。
つまり、S&P500の価格が変わらなくても、
日本円換算ではマイナスになることがあるということ。
日本に住む私たちは、円で稼ぎ、円で生活している。
S&P500はドル建てだから、
円高になれば資産は“見かけ上”減って見えるんですよね。
その時
「円建ての世界で生きてる以上、
ドルの波も一緒に受け止める覚悟が必要」
の意味を理解しました。
そこで私が始めたのが、
・ドル建て資産を増やしすぎない
・生活防衛資金は必ず「円」でキープ
・為替変動が気になる時は、あえて“見ない”
というシンプルな対策です。
投資は「知っているか知らないか」で心の安定が全然違います。
私がS&P500を続ける理由
ここまで読んで「じゃあS&P500って危ないの?」と思う方もいるかもしれません。
でも、私は今でもS&P500を積み立てています。
理由はシンプル。
アメリカ経済の成長力は、やっぱりすごい。
テクノロジー、医療、エネルギー、金融──
世界を動かす企業の多くがS&P500の中にあります。
マイクロソフト、アップル、アマゾン、エヌビディア…。
世界のイノベーションの中心地がアメリカである限り、
私は“成長の一部を一緒に持つ”という意味で投資を続けています。
ただし、今はあの頃のように「絶対儲かる」とは思っていません。
「上がる時期もあれば、下がる時期もある」
その波を受け入れる覚悟を持って続けています。
投資で一番大切なのは「商品」じゃなく「考え方」
投資を始めたばかりの頃の私は、
どの商品を選ぶかにばかり意識が向いていました。
でも今は、「何を買うか」よりも「どう向き合うか」が大切だと感じています。
たとえば暴落が来た時、
「終わった…」と思う人もいれば、
「今こそ積立チャンス!」と捉える人もいます。
両者の違いは“知識と準備”なんですよね。
・下がる時期があると知っている
・分散の意味を理解している
・為替リスクを想定している
この3つを理解しているだけで、投資の不安はぐっと減ります。
今日から始めて長く続ける🌿
S&P500は決して万能ではありません。
でも、「正しい知識」と「長期の覚悟」を持てば、
とても強力な味方になってくれます。
「投資で失敗するのは、知識がないまま始める人。」
焦らず、コツコツ。
そして、どんな相場でも笑顔でいられるように。
私も今日も淡々と、自動積立を続けています。
投資で大事なのは
“勝つこと”ではなく“続けること”
なんです。
💬おまけ:暴落した時の「お守り」
・インデックス積立投資で米国株が暴落した時はどうすればいいのか
・暴落相場で思い出して欲しい5つのデータ
この2本は、私が何度も救われた考え方です
もし不安になった時は、ぜひ観てみてください。
きっと「大丈夫、焦らなくていい」と思えるはずです。
📘 まとめ
- S&P500もマイナスになる年はある(約3割)
- アメリカが永遠に勝ち続けるわけではない
- 為替リスクは思ったより大きい
- 大切なのは「続けるための考え方」


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